デザイン思考ワークショップガイド

サービス開発チーム向け アイデアの「実現可能性」と「ビジネス価値」を評価するワークショップ手順

Tags: デザイン思考, ワークショップ, アイデア評価, 実現可能性, ビジネス価値, サービス開発

デザイン思考プロセスにおいて、共感フェーズで顧客理解を深め、定義フェーズで課題を明確にし、そしてアイデア発想フェーズで多くの創造的なアイデアを生み出した後の重要なステップは、それらのアイデアを現実的な解決策へと落とし込むことです。特にサービス開発においては、アイデアが技術的に実現可能か、そしてビジネスとして成り立つかという観点からの評価が不可欠となります。この評価が不十分なまま開発を進めると、後々の手戻りやコスト増加に繋がるリスクが高まります。

本記事では、サービス開発チームが、生まれたアイデアを「実現可能性(Feasibility)」と「ビジネス価値(Viability)」という二つの重要な観点から多角的に評価し、チームで共通認識を持って次のステップに進むためのワークショップ手順を解説します。

なぜ「実現可能性」と「ビジネス価値」の評価ワークショップが必要か?

アイデア発想フェーズでは、既成概念にとらわれない自由な発想が奨励されます。しかし、それらのアイデアすべてをそのまま開発に進めるわけにはいきません。限られたリソースと時間を有効活用するためには、どのアイデアに投資すべきかを見極める必要があります。

このワークショップは、以下の目的のために実施します。

このワークショップは、単にアイデアを「良い」「悪い」で判断するのではなく、それぞれのアイデアが持つポテンシャルと課題を明らかにし、より現実的で価値のあるコンセプトへと洗練させていくプロセスです。

ワークショップの準備

ワークショップを円滑に進めるためには、事前の準備が重要です。

ワークショップの手順

ステップ1:オリエンテーションと評価観点の共有(15分)

ステップ2:アイデアの確認と背景共有(15分 + アイデア数 × 2分)

ステップ3:実現可能性(Feasibility)の評価(アイデア数 × 15分)

ステップ4:ビジネス価値(Viability)の評価(アイデア数 × 15分)

ステップ5:評価の統合と全体議論(30分)

ステップ6:次のアクションとコンセプトの明確化(15分)

ワークショップを成功させるためのポイント

まとめ

デザイン思考におけるアイデア評価ワークショップは、多くの創造的なアイデアの中から、真に価値があり、かつ現実的に実現可能なアイデアを見つけ出すための重要なプロセスです。特にサービス開発チームにとっては、「実現可能性」と「ビジネス価値」という二つの観点からの評価が、後の手戻りを防ぎ、限られたリソースを最大限に活かす鍵となります。

本記事で解説した手順を参考に、ぜひチームでこのワークショップを実践してみてください。多角的な視点からの議論を通じて、アイデアの潜在能力とリスクを深く理解し、チーム全体で次の確かな一歩を踏み出すことができるでしょう。ワークシートやテンプレートを活用したり、オンラインツールを工夫したりすることで、より効率的で実りのあるワークショップを実施することが可能です。